リフォームに役立つ、贈与税のマメ知識。

資金援助の仕組みを理解し、賢くリフォームしよう

資金援助の仕組みを理解し、賢くリフォームしよう

素敵なリフォームプランを実現するには、現実的な資金計画が必要です。リフォームのためのまとまった資金となると、親世代から援助してもらうことを考えている方もいるでしょう。しかし両親・祖父母等から資金援助を受ける場合には贈与税がかかる場合があります。ここでは、両親・祖父母等から贈与を受ける際に知っておかなくていけない贈与税や、節税対策になる特例制度についておさえておきましょう。
◎住宅取得資金の贈与に関する2つの特例制度を理解しよう

◎住宅取得資金の贈与に関する2つの特例制度を理解しよう

通常、個人から年間110万円を超える資金を譲り受けた場合には「贈与税」がかかります。(110万円以下の場合は、贈与税の基礎控除額の範囲内となり贈与税はかかりません)しかし住宅のリフォームのために援助を受けた場合には、ふたつの特例制度があり対象にあてはまる場合にはこの制度を利用することができ、より多額の資金を非課税で受け取ることができます。

【特例制度その1】住宅取得等資金の贈与税の非課税特例

両親や祖父母など直系の親族(=尊族といいます)から資金援助を受けた場合に、一定額以内の贈与税が非課税になる制度です。リフォーム工事の費用が100万円以上で、自分が所有して住んでいる住宅であることも条件です。尚、中古住宅を取得と同時にリフォームも行う場合は、住宅取得資金等の贈与税非課税の対象となるのは中古住宅取得費用のみで、リフォーム費用については「自分が住んでいないので」贈与税の非課税の対象外となります。省エネ性・耐震性・バリアフリー性のいずれかの一定条件を満たす「良質な住宅」をリフォームあるいはリフォームすることで条件を満たす住宅になる場合は、非課税限度額がより高く設定されています。

贈与を受ける対象となるのは、20歳以上で贈与を受けた年の合計所得が2000万円以下の人で、非課税措置を受けるためには贈与を受けた翌年の確定申告の期間内に確定申告をすることが必要です。

【特例制度その2】相続時精算課税制度

原則として60歳以上の父母や祖父母から、20歳以上の子や孫が贈与を受ける場合に使える制度ですが、住宅取得や増改築資金として贈与する場合は、贈与者は60歳未満でもかまいません。
非課税の特例を受けるためには、贈与を受けた年の翌年の2月16日~3月15日までに確定申告をすることが必要です。贈与者ひとりあたり2500万円までなら非課税になるため、一時的に大きなお金が必要なリフォーム資金を用立てる際には使いやすい制度です。しかし、贈与した父母や祖父母が死亡した際には、相続時精算課税制度を活用して贈与された財産と相続財産を合計して改めて相続税を精算し直します。またこの制度は、年間110万円までの基礎控除がある暦年贈与との選択性になっており、一度この制度を選択すると暦年贈与には戻れません。暦年贈与で生前贈与する相続税対策はできなくなりますので、相続税が掛かる方は専門家に相談しましょう。
◎メリットとデメリットを理解して制度を活用しよう

◎メリットとデメリットを理解して制度を活用しよう

父母・祖父母等からリフォームの資金援助を受けるとき、使える特例制度は条件によって異なり、それぞれメリットとデメリットがあります。逆に負担が増えてしまうケースもあるので、具体的に詳細をよく比較して、自分の場合は何を選んだらいいのか検討する必要があります。まず、制度利用を考えている人は、下記の条件が当てはまるかどうか確認してみましょう。

【1】住宅取得等資金の贈与税の非課税特例(リフォーム資金として活用の場合)

使える条件
① 父母、祖父母などの直系の親族(=尊属)からの贈与。
(※注:例えば夫が妻の両親から贈与を受ける場合はこの制度は活用できません。ただし、夫が妻の両親と養子縁組をしている場合には活用できます。)
② 贈与を受けた側は20歳以上で、贈与を受けた年の合計所得が2000万円以下であること。
③ 平成21年分から平成26年分までの贈与税の申告で「住宅所得等資金の非課税」の適用を受けたことがないこと。(平成27年以降にこの制度の適用を受けた場合で非課税枠の上限に達していない場合は、非課税枠までの金額までは適用を受けることができる。)
④ 配偶者や親族など一定の特別な関係にある人からの請負契約により増改築をしたものではないこと。
⑤ 贈与を受けた年の翌年の3月15日までに、贈与を受けた金額の全額をリフォーム資金にあてていること。
⑥ 贈与を受けた時に日本国内に住所があること。
⑦ 贈与を受けた年の翌年の3月15日までに居住することが見込まれること。
⑧ 登記簿上の床面積が50㎡以上240㎡以下で、なおかつ床面積の2分の1以上に相当する部分が贈与を受けた者の居住用となっていること。(例 : 店舗併用住宅で居住用スペースが2分の1以上)
⑨ 贈与を受けた側が所有し居住している家屋に対して行われたリフォームで、そのことが一定の書類によって証明されたものであること。
⑩ 100万円以上の増改築の工事であること。

メリット
① 省エネ性・耐震性・バリアフリーのいずれかの一定条件を満たす住宅のリフォーム及びリフォームによって一定の条件を満たすようになった場合、非課税の限度額が高く設定されている。
② 贈与税の基礎控除(年間110万円まで)と併用できる。

デメリット
① 契約年によって非課税限度枠に大きな違いがあり、後になればなるほど非課税額が下がる。(2017年4月1日現在法令の場合)
※下記の表は消費税が8%の場合です。消費税が10%になった場合は上記とは異なります。
リフォームに役立つ、贈与税のマメ知識。
【2】相続時精算課税制度(住宅資金等贈与の特例の場合)

使える条件
① 父母、祖父母からの贈与。
② 贈与を受ける側は20歳以上の子・孫。(所得制限はなし)
③ 配偶者や親族などの関係のある人からの請負契約により増改築をしたものでないこと。
④ 贈与を受けた年の翌年の3月15日までに贈与された資金全額をリフォーム資金にあてていること。
⑤ 贈与を受けた時に日本国内に住所があること。
⑥ 贈与を受けた年の翌年の3月15日までに居住することが見込まれること。
⑦ 贈与を受けた年の翌年の確定申告期間に必ず申告すること。
⑧ 増改築後の家屋の床面積が50㎡以上で、床面積の2分の1以上が居住用であること。(例 : 店舗併用住宅で居住用スペースが2分の1以上)
⑨ 贈与を受けた側が所有し居住している家屋に対して行われたリフォームで、一定の書類によって証明されたものであること。
⑩ 100万円以上の増改築の工事であること。

メリット
① 贈与者ひとりあたり2500万円という大きな金額を非課税にできる。
② 相続時ではなく、受贈者が必要な時期に早期に多額の財産を贈与できる。
③ 相続時に相続税が発生しない場合には財産の先渡しができ、受贈者は活かしたお金の活用ができる。(例 : リフォームローンを組まなくて済む等)
④ 何度でも利用でき限度枠までなら非課税。(毎年でも活用でき限度枠内までなら非課税。非課税枠を超えた金額に対しては一律20%の課税。ただしその都度確定申告は必要)

デメリット
① 一度「相続時精算課税制度」を選択すると撤回できない。
② 贈与税の暦年贈与(基礎控除年間110万円まで)と併用できない。贈与の金額にかかわらず贈与の都度申告の必要がある。
③ 贈与者が死亡した際、相続財産価格と相続時精算課税制度で贈与した贈与財産価格を合計して相続税を計算するため、人によっては相続税が発生するケースがある。

参考HP
国税庁No.4103 相続時精算課税の選択

国税局No.4503 相続時精算課税選択の特例



◎リフォーム時には証明書を発行してもらうことを忘れずに

リフォームをする際に税金の特例制度を利用しようとするなら、必ず必要になるのが「増改築等工事証明書」等の証明書です。税務署や住まいのある市町村(固定資産税の場合)に、各種証明書を提出・申告する必要があるため、リフォーム時には必ず施工事業者に証明書を発行してもらいましょう。さらに省エネ住宅や耐震工事やバリアフリー工事など、「良質な住宅」へのリフォームの場合には、工事内容を証明する書類も必要です。忘れずに証明書を発行してもらいましょう。
なお、税制度に関しては随時変更になる可能性があるため、時期によっては条件や控除になる金額に大きな違いが出ます。利用したい制度がある場合には、早めに計画を立てて実施しましょう。さらに、国税庁のHPや相談窓口、税理士などの専門家に確認して、最新の税制度の情報を把握しておくことも大切です。

※この記事は2017年12月27日時点の情報を元にしています