住まいを見直して
住宅火災を防ぐ

1日あたり108件、13分ごとに1件、火災が発生

1日あたり108件、13分ごとに1件、火災が発生

地震や台風などなにかと天災の多い昨今、こうした災害に対する備えを考えたとき、やっておきたい対策のひとつに火災対策があります。何らかの災害が起きた際、火災を防ぐことができると被害の拡大を防ぐことができるからです。

平成30年8月に消防庁が発表したデータによると、平成29年1~12月の1年間に発生した総出火件数は39,373件でした。これは、1日あたり108件、13分に1件の割合で火災が発生したことになります。さらに、火災による総死者数は1,456人で、うち住宅火災における死者は985人です。こうした数字を見ると、年間の出火件数は多く、いったん住宅火災になると人命被害が多いことがわかります。
燃え広がりにくく、もらい火をしにくい家を目指す

燃え広がりにくく、もらい火をしにくい家を目指す

では、火災に強い家にするためのポイントは何でしょうか?

まずは家の中からの出火に備えるケースを考えてみましょう。出火場所から部屋全体に燃え広がらないようにするためには、不燃性の内壁やカーテンを使うのがおすすめです。火が壁や天井を伝わりにくくなれば、建物の倒壊や周囲への延焼を防ぐことができ、初期消火が可能になるほか、逃げる時間を稼ぐことができるからです。加えて、カーペットや布団も防炎マークのついたものを選んでおくと、いざという時に安心です。なお、お住まいの自治体の火災予防条例で定められた場所(寝室やキッチンなど)に、必ず火災報知器を設置しましょう。出火場所から離れた部屋にいても、火災に早く気づくことができます。

次に、家の外からの火に備えるケースを考えてみましょう。近隣で火災が起きた場合、外からもらい火をしないためには、屋根や窓、外壁、玄関などを耐火性のあるものにしておく必要があります。特に、窓は火の侵入口になりやすいため、あらかじめシャッター雨戸を設置しておくと、いざというときに火が入りにくいでしょう。また外壁の種類によっても家の中への熱の伝わり方が異なります。熱伝導率の低い外壁材を使うことで、家の中への影響を最小限に抑えることができます。
火災弱者になりやすい高齢者対策は……

火災弱者になりやすい高齢者対策は……

火災で一番の被害者になりやすいのが高齢者です。高齢になると火災が起きても避難に時間がかかるうえ、すばやい消火行動がとりにくいという特徴もあります。このため、まずは火を扱うキッチンまわりで、あらかじめ火災のリスクを減らしておくことをおすすめします。具体的には、消し忘れからくる火災を防ぐための自動消火機能付きのガスコンロや、IHクッキングヒーターの導入などが考えられます。他にも揺れを感知したら自動的に火が消えるタイプのストーブや、切り忘れ防止機能が備わったこたつなど、冬の暖房器具を選ぶ際にも防火の視点を忘れないことが大切です。加えて、暖房器具のまわりに洗濯物や燃えやすい物を置かない、放火の被害に遭わないように外まわりに燃えやすいものを出しておかない、たばこなどの扱いには十分気を付けるなど、日頃から防火の心掛けも忘れないようにしましょう。
停電から復旧した際の通電火災を防ぐ

停電から復旧した際の通電火災を防ぐ

最近、特に住宅火災のなかで注目されているのが通電火災です。これは、地震などによる一時的な停電から復旧する際に起こる火災のことで、地震によって倒れた電気ストーブなどに再び電気が通ることによって近くの可燃物が発火し、火災が起こるというものです。阪神淡路大震災や東日本大震災では通電火災が火災の6割以上を占めていたといわれるほど、大きな問題となりました。通電火災を防ぐ方法は停電したらすぐにブレーカーを落とすことですが、非常時には必ずしも忘れずに行動できるとは限りません。そこで、震度を感知すると同時にブレーカーを自動で落とす「感震ブレーカー」を、あらかじめ設置しておくという対策もあります。
防火地域、準防火地域などの変更・拡大に要注意!

防火地域、準防火地域などの変更・拡大に要注意!

防火対策を考える際に、無視できないのが建築基準法です。地域には「防火地域」「準防火地域」「法22条区域」などの区分があり、区分別に様々な規制があります。たとえば、都市部の駅近くや繁華街のある商業地域などは「防火地域」とされ、耐火性の高い外壁材を使った鉄筋コンクート造り、または厳しい耐火基準をクリアした木造住宅などでなければならないという決まりがあります。また、防火地域の周辺に広がる「準防火地域」では、外壁や窓などの耐火性能の規定があり、建築基準法22条に定められた地域である「法22条区域」も、屋根や壁などに不燃材料を使う決まりがあります。

最近、災害に強い町づくりの一環として、今までそうでなかった地域を新たに「防火地域」「準防火地域」「法22条区域」に指定する動きが広がっています。これは、以前家を建てた際には特に規制がなかった地域でも、その後の地域区分の変更のために厳しい耐火基準になっている可能性があることを意味します。このため、まずは自分の住まいが、現在どの区分にあるのかを確認した上で、防火対策も含めたリフォーム計画を立てることをおすすめします。